商業道徳というと、商売人にだけ道徳が必要のように思われますが、
道徳というのは、世の中の人の道であり、孔子によれば「孝悌は仁を成す本」仁義にも忠恕にもなります。
特に商売に望むのは競争に対する道徳です。
切磋琢磨という言葉がありますが、競うから、励みます。競争は、勉強または進歩の母です。
善意と悪意があります。毎日人より早く起き、良い工夫を成し、知恵と勉強で人以上になる、というのはよい競争です。
他人の業績を真似て掠めて、傍の方からこれを侵す、これは競争というより盗みです。
日本の商人は困ったものだと外国人から軽蔑されます。
道徳を難しく考えると、ついに道徳がお茶の湯儀式のように、一種の唱え言葉、道徳を説く人と、行う人が別物になってしまいます。
日常に当たり前にある、妨害的に人の利益を奪うこと、自己の良心に照らしてわかります。
進歩は必要ですが、悪競争はしてはいけません。
道徳というのは、人の道で、特別なことではなく、自己の良心に照らすと、おのずとわかるという、渋沢の言葉をかみしめてみましょう。


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