従来儒教を学ぶものが最も誤解していたのが、
孔子の金銭に対する考え方だと渋沢はいいます。
「論語20編をくまなく読んでも、
仁者となるためには富を捨てよ
などと書いていない」
「富と貴きは人の欲する所なり、
道を以てせず得れば処らざるなり、
貧と賤とは人の悪む所なり、
道を以てせず得れば去らざるなり」
重要なのは「道を以て」というところです。
また
「富にして求むべくんば、
執鞭の士といえども吾これをなさん、
もし求むべからずんば、
吾が好むところに従わん」
という句がありますが、これは、
正しい道によれば、
卑しいと言われる仕事でも富を積み、
不当の手段によるくらいなら、貧しくいなさい。
という意味なのです。
儒教の学者の大半は、
富貴功名といえば、何でも悪いものと解釈したのは
大きな間違いだと思います。
これが、渋沢の意見です。
渋沢の「正しい道」とはなんでしょうか。
次回は、渋沢が石川島播磨の
創業期に行った判断を紹介しようと思います。

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