論語と算盤 part16 自ら箸を取れ

渋沢は言います。

秀吉は信長に養ってもらっていたわけではない。
自ら箸を取って食べたのだ。
若い人で、大志はあるが、引きがない、
上司が引き立ててくれない、
などと言う人がいますが、
人材は求められていて、上に立つものは見ています。

小さなことをきちんとやれなければ
引き立てられることはありません。
私は18歳の時、大森実氏の講演を聴き、
感激し、壇上に上がって、いきなり

『お話に感動しました。
 給料なんていりませんから、使ってください。』

と直訴して、いわば、昭和の世でも珍しい書生になりました。

ブリタニカに入って、最初はダメセールスでしたが、
そのうち新人の募集、教育を任され、
急速に頭角を現し、短時間でオフィス売上日本一になりました。
それ以降は、人を見出し、採用し、配属し、
育成する立場になりました。
世の中には、二通りの人がいるように思います。

自分の地位、立場にこだわり、
上司に好かれて出世しようとする者。

仕事の目的と成果にこだわり、周囲の評価を気にしない者。
自分の地位の安泰にこだわる上司は、
前者を好み、
大きな仕事を成し遂げたいと思う上司は、
後者を好むでしょう。
秀吉が天下人になれたのは、
織田信長に仕えたからで、
そうでなければ、あれ程の出世は望めなかったと思います。

そして秀吉も上司を選んだと考えるべきでしょう。

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