松下政経塾をご存知でしょうか?
松下幸之助が84歳にして、私財を投じて
21世紀のリーダーを育成すべく
茅ヶ崎に作った、いわば、昭和の「松下村塾」です。
第1期生に、野田佳彦、2期生に松原仁、4期生に原口一彦、
5期生に高知早苗、8期生に前原誠司、10期生に中田宏・・総理を排出し
総理を狙うような人材を生み出しています。
開校したのが、1980年で、その時私は30歳になっていました。
ブリタニカのセールスマネージャーとして4年目、
オフィス売上日本一を続けていた私は、自信満々で、
アポも取らずに茅ヶ崎の政経塾の門を叩きました。
政経塾の塾頭は松下幸之助ですが、
その場の責任者のようなおじさんが出て来て話を聞いてくれました。
『なぜ、わざわざ訪ねて来たのですか?』
「ブリタニカのプログラムは最高のものだから、
素直に取り組んでくれれば必ずマスター出来る。
今時、大学を辞め、企業を辞め、21世紀の政治家を目指すとは
よほど素直な人に違いない。
そのような人に英語を身につけてもらい、
21世紀には世界で活躍してもらいたい。」
『なるほど。あなたはうちの塾頭と同じことを言われる。
《囲碁でも将棋でも、どんなヘボでも毎日毎日取り組んで
30年もやれば、誰でも初段くらいにはなれるものだ。
わしは、今日一日素直に生きようと毎日毎日30年、
ようやく素直さ初段というところだ。
お前たちはまだまだだぞ。》
と言われています。
残念ですが、今日すぐに塾生に紹介するというわけにはいきませんが、
感心のある人間には話をする機会を考えましょう。』
まぁ、気持ちは通じたという感じで帰って来て、
なんとなく気勢をそがれ、遠かったのでもう一度、
という気にはなりませんでした。
そのままで過ごして来たのですが、
最近この幸之助の言葉には、その前があることを知りました。
もしそれを、あの時に知っていたら、もっと粘ったかもしれません。
経営判断に、私利私欲を交えると必ず失敗する。
経営判断には私欲を捨て、
天地自然に素直にならなければならない。
・・・囲碁でも将棋でも・・・と続くのです。
素直とは、そのような意味だったのかと
しみじみと感じ入りました。
無心、無我、そして天地自然の摂理に素直になること。
これが日本人の【素直】ということなのだと思います。

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