禅と営業

呼吸法は、やはり、良いと思いますので、

思い出した時にでも、試してください。

健康な習慣、向上できる習慣を、ものにしましょう。

先回の記事 剣禅一如は、

柳生流の、「合撃」の技や、沢庵の「不動神妙録」をご紹介しましたが

それが

営業と何の関係があるのか・・疑問の方もあるでしょう。

一つ、素晴らしい、「合撃」に匹敵する、営業の実話をご紹介します。

その上で、私の中で、剣と禅・戦争と交渉 が同関係するのか

意志力や呼吸法とどう結びつくのか、

ご説明しようと思います。

フランク・ベドガーの、

「私はどうして販売外交に成功したか」 からです。

フランクべドガーは1920年代に活躍したアメリカの

生命保険のセールスマンで

この本は1960年に日本でも出版され、

今日でも、重版されている

古典というべき一冊です。
ある時、ニューヨークの大製造業者ブース氏が、25万ドルの生命保険
に加入しようとしているという情報が入った。

彼の経営する会社では、今度25万ドルの資金を借り入れることになったが

債権者側の条件の中には、

社長に、これと同額の生命保険をつけてもらいたいという要求があり

既にニューヨークの大保険会社が10社ほど

熱心に契約の申し入れを行っているということだった。

べドガーは

一連の質問事項を考え、

翌朝、10時45分にアポイントを入れ、

ニューヨーク最大の健康相談所へ電話をし11時30分に

見込み客の健康診断の予約を入れた。

・・・・訪問

「10時45分にお約束の、べドガーさんがいらっしやいました」

「どうぞお通ししてください

べドガーさんですね、お掛けください。」

彼は、当然私が話し出すだろうと、待っていたが、私は

彼の話しだすのを待つ作戦だった

・・・・・「べドガーさん、わざわざ、お手間をかけてすみませんね」

「どういたしまして、ところで、お話といいますのは?」

彼は少し驚いたようだが、すぐ机の上に積み重なられた、
申し込み書や、パンフレットをさして

「この通りです

ニューヨ-クの主な保険会社という保険会社がみんな、私の
ところに殺到する有様なんです。

私の友人から、是非にといって 紹介されただけでも 3社あります。

その友人のうちの一人は、ことのほか私とは親密な関係なのです。

週末には必ず一緒にゴルフに出かける仲なのです。

この男がニューヨーク生命保険会社を紹介してくれましてね。

何しろこの会社は非常にいい会社だというのですが・・」

「業界でも注目されている、立派な会社です」

「ベドガーさん、そんな、事情なんです。しかし、・・・もし貴方が

何か良い提案をしてくださるというのでしたら、私の年齢は46歳ですから、

私の年齢でかけられる 普通の保険で二十五万万ドルの契約をするのに、

どんな条件になるのか調べて、早速私のところへ速達で送ってください。

そうすれば、ここに来ているほかの会社の申し入れ内容といっしょに

よく研究して、二週間後にはどれを選ぶか、決定しましょう。

もし、貴方のプランが一番掛け金が少なくて、

一番条件が良いようでしたら

あなたのほうへお願いするようにしましょう。

こうしてお目にかかつていても、お互いに時間つぶしになるだけですから・・。」

「ブースさん、大変不躾なことを申し上げるようですが、もし貴方が、私の

兄弟であるなら、今、貴方に遠慮なく言いたいことがあるのですが・・

それを、率直にお話しても良いでしょうか?」

「それは、どんなことでしょうか?」

「もしも、貴方が、私の兄弟でしたら、私が保険事業についてやっていることを

よく言い聞かせた上で、そこにある、申し込み書やパンフレットは、全部くずかごに

捨てさせてしまいます。」

「そ、それは、また、どうしてですか?」

「まず、第一に、これらの保険の内容を説明するには、どうしても保険経理士

の手を借りる必要があります。

一人前の保険経理士になるには、少なくとも7年はかかります。

仮に、貴方が一番掛け金の安い会社を選んでも、これから五年後には、

それが一番高率の契約だったということにもなりかねないのです。

そういうことが、実際にはたくさんあるのです。

率直に申し上げますと、ここに申し込み書を送ってい来ている会社は

いずれも、業界一流の会社です。

ですから、ここにある、申し込み書なり、説明書を、全部机の上にばらまいて

目をつぶって、一枚拾い上げれば、それは、何週間もかかって、慎重に

熟考なさった上で、やっとお選びになったものと、ぜんぜん変わりないのです。

もっとも、一応、一番安そうに見える会社を、お選びになることはできるでしょうが

・・・・。ところで、ブースさん。私のやっております仕事というのは、あなたが、

最後の決定をなさるのに、何かお役に立とうとすることです。

そういう意味で、少しはお役に立ちたいと思うのですが,もし、二、三の点について

質問させていただけますならば、非常に参考になるのですが・・」

「結構ですとも、べドガーさん、どうぞ、お気の召すように・・」

今回はここまでで区切ります。

ブースさんが質問されているように

私もみなさんに、質問し、考えてもらいたいと思います。

ご想像の通り、このあと、べドガーは、いくつかの質問をするだけで

十五分で、二十五万ドルの契約をまとめます。

この話を知っている方は、自分が、この技を使えるには、

自分に何が必要か

考えてみて下さい。

知らない方は、べドガーがどんな質問をするのか、

考えてみてください。

九つの質問があります
が、商品の説明も、掛け金もありません。

最後まで、自分の会社すら名乗らないのです。

営業経験の浅い人は、とかく、商品にたよります。

「とにかく、凄くよいものだから、聴いてくれ、聴いてくれ」 と

掛け声をかけるようです。

これを、私は、(やくざの、ちゃんばら)と呼んでいます。

怖いので、腰が引け、掛け声ばかりで、

刀を突き出して振り回すのです。

刀=商品です。

剣の達人は、刀を抜くまで、まず、お互いの体が触れ合うほどに

間合いをつめます。(これが、自分を売るということです)

そして、刀を抜いた瞬間には、勝負がついているのです。

次回はべドガーの後半を説明し、その意味を考えて見ます。

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