庭の小さな水仙が、黄色い花を咲かせました。
少しずつ、春が近づいています。
そうはいっても私の住んでいる初狩は、まだ朝の風は冷たいです。
ウイリアム・グラッサーは、2013年になくなりました。
1925年生まれですから、88歳ということになります。
私がグラッサー博士にお目にかかったのは、
初来日で、お手伝いしていたアチーブメント社が主催した、
講演会を開いた時でした。
とても温厚な印象でした。
グラッサー博士のリアリテイセラピーは現在では
アメリカの、
公教育にも取り入れられ、10大療法の一つに数えられていますが
当時は、すばらしい実績ははあるものの、
新興勢力でした。
博士は医学を学び、その後心理学を学びました。
その当時は正統派のカウンセリング療法はフロイトのものでした。
彼が、精神療法家になったのは
1955年頃、ベトナム戦争の頃です。
ベトコンの捕虜になったりして、悲惨な戦争を体験した
帰還兵が、ひどく傷つき精神に異常をきたしていました。
博士は、精神病院で、多くの兵士をフロイトの流儀で
カウンセリングしましたが・・
あまり改善されませんでした。
博士は悩んだ挙句、上司に相談し、彼なりのカウンセリングを
試してみる許可を得ました。
結果は劇的で、大部分の患者が短期間で回復退院し、
社会復帰することができたのです。
博士の方法は簡単に言うとフロイトの逆ともいうべきものです。
フロイトの流儀は、科学的、客観的という姿勢ですから
患者と距離を取り、個人的感情を持たず、冷静に観察します。
あたかも、壁か、鏡のように。
また、精神の異常は、過去の本能的欲求の抑圧が原因と考え
過去に遡り、欲求や感情に焦点を置きます。
グラッサーは、まず、患者と個人的な人間関係を築くことから
始めました。
批判したり、ちゃんとする方法を教えたりせず、
受け入れました。正直に話し合えるようになると・・
過去ではなく、現在に焦点を絞り、
感情や思考ではなく、行動に焦点を当てました。
そして、患者に自己評価を求めました。
これでよいと思うか?と
そして、今以上に良くなるために何をすればよいかを
患者と話し合い
実行を約束し、
このサイクルを繰り返したのです。
この素晴らしい結果を説明する理論は、あとから検討されました。
コントロール理論と呼ばれるこの理論は
認知行動療法に似ており、現在も多くの場面で活用されています。
人間には行動、思考、感情、生理という4つの面がありますが
ちょうど車の4つの車輪のように連動して動いている。
したがって、行動が変われば、思考も感情も変わります。
多くの人は思考が変われば行動も変わると考えますが、
実際には、行動を変えるほうが簡単です。
人間は現実との関わりの中で、
効果的で現実的な活動をしていますが・・
物事がうまく行かなくなると、
諦めるという状態を選びます。
この状態に入ると、努力してもうまくいかないと信じているので
あまり努力せず、ただ待ちます。
偶然事態が好転すると、正常に戻りますが、
事態が悪化すると、より非現実的な活動に出ます。
それがその人の弱い面に出ます。
行動に出れば、
社会や組織のルールではなく自分のルールで行動する
いわゆる非行です、
感情に出ればうつ病
思考に出れば統合失調症
生理に出れば心身症です。
改善するにはどの場合も、より現実的で、効果的な行動
を
実行し、少しずつ現実と良い関係を取り戻すことです。
したがって、リアリテイセラピー、現実療法と呼ばれます。
ウイリアム・グラッサー
心理学
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