新しい仏教の可能性

テイクナット・ハンというフランスに居るお坊さんがいます。

この方は、現代の仏教で生き仏と言われるダライ・ラマと並び称される方です。

オウム真理教の地下鉄サリン事件が起きた時、
釈迦の生まれ変わりを自称し、仏教の一派を主張していた彼らに

日本仏教は、適切なメッセージを発することができず、
壊滅的なダメージを蒙りました。

この事件直後来日した、テイクナットハン師は日本各地を周り
熱心な若い仏教の僧たちに、現代に生きる仏教の価値を説いたのです。


彼が、ベトナムの大乗仏教の若い僧であった時、
ベトナム戦争が起こりました。

アメリカは北ベトナムを爆撃し、村を焼き払いました。

ベトコンはゲリラ戦で戦い、アメリカの兵隊を襲いました。

壮絶ないつ終わるかもわからない、戦いのなかで、
一般の庶民は、戦火に巻き込まれ、略奪され、殺され、
悲惨な被害に会いました。

若き仏教徒、テイクナット・ハンは悩みました。

仏教の根本は、四苦からの解放にあります。

古来仏教では

この世は苦である
苦の原因は、人の煩悩にある
従って、煩悩を消滅させれば
苦も消滅する

という教えでした。

然し、ベトナムの民衆の苦しみの原因は
どう考えても、民衆の煩悩ではありません。

民衆の煩悩を滅しても、
空から降るナパーム弾はなくなりません。

国家の争いが、民衆を苦しめるなら
国家に影響をあたえる手段を持たなければならない。

そのような新しい「苦の解決法」を織り込んだ仏教を

エンゲージド・ブディズム(Engaged Buddies)
と名づけました。
一般には行動する仏教と訳されますが

私の感覚では、少し違い「約束された世界」とでも言いたい感じです。

いわゆる、反戦運動などとは、意識も活動もちがう
新しい、思想活動なのだと思います。

仏教は現代科学と矛盾せず、むしろ
現代科学をも包摂しているように思えます。
そうであれば、既成の宗教の枠を超えて
普遍的な教えになりえます。

ベトナム戦争は、資本主義対共産主義の戦いでしたが
91年ベルリンの壁崩壊以来
そのようなイズムによる戦争は
考えにくくなりました。

然し、現在の世界では、イスラムを名乗るテロ活動や
さまざま内戦が
あとをたちません。

争いの根源には、宗教対立と
経済格差があるように思えます。

すべての宗教を包摂できる科学と
全ての人の苦しみを、我が苦しみと感じる意識の拡大が
今求められる気がします。

今ココを大切にすること
自分の手が届く現実をいたわること

そのことが、多くの人の共感を得ることが
大きなうねりになる気がしています。

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