武田 吉康

論語

論語と算盤 相愛忠恕の道をもって交わるべし

渋沢はいう。およそ110年前の文章である。日中間は、同文同種の関係にあり、国の隣接する位置からも、古来よりの歴史からも、相提携するべき国柄なり。しからば、人情を理解し、己の欲せざる所にはこれを人に施さず。いわゆる相愛忠恕の道をもって相交わる...
論語

論語と算盤…文明人の貧戻(たんれい)

全欧の事変について、私の予想は全く外れた。私の予想以上に暴虐の人があったからである。いわゆる「一人貧戻なれば、一国乱をなす」文明の世界には有りうべからざる物との想像が過誤の観察となった。私はかえって文明人の貧戻なる結果ではなかろうかと、冷笑...
論語

論語と算盤…実業と士道

武士道すなわち実業道なり武士道の神髄は正義、廉直、義侠、敢為、礼儀などの美風を加味したもので、なかなか複雑な道徳です。商業においては、はなはだ乏しかった。「武士は食わねど高楊枝」というがごとき気風では、商売は立ち行きません。孔子は「富と貴は...
経済

合理的な経営

商売は、政治などに比べれば、秘密は少ない。現在あるものを、無いというような、、純然たる嘘は断じてよろしくない。正真正銘の商売には、機密というようなことはまずない。実際の会社においては、なくてよいはずの秘密があったり、あるべからずところに、私...
論語

論語と算盤 競争の善意と悪意

商業道徳というと、商売人にだけ道徳が必要のように思われますが、道徳というのは、世の中の人の道であり、孔子によれば「孝悌は仁を成す本」仁義にも忠恕にもなります。特に商売に望むのは競争に対する道徳です。切磋琢磨という言葉がありますが、競うから、...
論語

論語と算盤 ただ王道あるのみ

渋沢はいう。何事も、法に訴えるというのはいかがなものか。資本家と労働者の問題も同じ、権利だ義務だと法律に訴えればやがて感情的にもなる。資本家は労働者に対し王道で臨み、労働者もまた資本家に対し王道でのぞむ。関係する事業の利害得失は、両者に共通...
歴史

論語と算盤…ルーズベルト大統領とのやりとり

明治35年アメリカを訪問し、ワシントンで、ルーズベルト大統領に謁見しました。大統領は、日本について軍隊と、美術について称賛してくれました。北清事変の時アメリカの軍隊が日本の軍隊と行動を共にし、日本の兵は、勇敢にして軍略に富み、かつ仁愛の情、...
論語

仁にあっては師にゆずらず

論語には権利思想がないから、現代社会にそぐわないという人がいますが、それは、論語を本当には理解していないように思います。釈迦やキリストは最初から宗教により人を導こうとしました。孔子はもともと、世の中をどう治めるかという経世を考える人でした。...
文化

商業に国境なし

サンフランシスコ金門公園において、明治35年「日本人泳ぐべからず」アメリカ人がとかく日本人を嫌うという感情を改善すべく、在米日本人会を組織した。明治41年、アメリカから太平洋沿岸の商業会議所の議員が多数、来日。日米両国の国交親善に努めるため...
論語

論語と算盤:東照公の修養

東照公は、実によく文治に心砕いています。戦乱の時代を力で収めましたが、力だけでは続かないと知っていました。遺訓「人の一生は重荷を負うて長き道を行くがごとし、急ぐべからず・・」これは、論語秦伯編 曽子の言葉「士不可以不弘毅 任重而道遠 仁以為...