ティール組織とかんばん方式

ティールについての文章に、
懐かしい若い友人から反論がきました。

 1. 環境を用意しすればそれに応じた反応をする・・

どの様な環境が用意されても、
それに反応できる準備のない人が多いのでは?
 2. 政治家や官僚の動きを見て任せておくことはできないと思った・・

真面目にコツコツ
しっかりやっている政治家も官僚もたくさんいる。
「論ずること、信じる事が正反対であっても、
心誠に、真理を求むる者は、皆兄弟、皆同士。」
と言ったのは、新渡戸稲造でした。

私も同感です。
コメントを特に反対意見をくださる方に贈ります。

1の点については、少しおいておきます。
2については、私は政治家や、官僚の真面目さや、
能力などを問題にしていません。

例えば、江戸時代の最後の将軍、徳川慶喜が
どれほど有能であるかは問題ではなく
260年続いた幕藩体制が、制度疲労を起こしていて、
西洋列強が開国を求める時代背景に
対応できなくなっているということです。
例えば、今の若い人達は、1000兆円という膨大な借金をこの国が背負っていて
いずれそのつけが自分たちに回ってくるということを知っています。
それではその1000兆が、
どうしてできたかについて知っているでしょうか?

簡単です。
国債残高推移というキーワードで財務省の図表を、
誰でも簡単に見ることができます。
国際残高に関するメモ

昭和50年まではほとんどゼロ  
 1975年 ロッキード事件

昭和60年まで少しずつ増加
 1985年 プラザ合意
 1989年 消費税導入                  
 1990年 バブル崩壊
 1992年 金丸失脚、経世会分裂
 1993年 細川政権
昭和60年から平成6年までほぼ同じ
 1994年 村山総理

平成7年から加速度的に増加
 1995年 阪神大震災・地下鉄サリン

内容は建設国債といい、
道路や港湾の整備は次の世代も使うので
次の世代から借金してもよいということで拡大し、
今や日本の海岸の半分は、
砂浜がコンクリートで固められ、
山の中に誰も通らない舗装道路が、林道として走っています。
コロナが発生したとき、
最初は、ダイヤモンド・プリンセスでした。
感染したネズミと感染していないネズミを、
同じ箱に入れれば、やがて感染が広がるだろうことは、
誰でもわかるはずです。
あれはまるで、人体実験のようでした。

なぜさっさと、全員をPCR検査して、
陽性の人と、陰性の人を隔離しないのでしょう?
そう思った人は多かったはずです。
すると、ネット上に、
ある医師のPCR検査の限界というレポートがありました。

「PCRは、感度が70%。つまり陽性でも見落としが30%出る。
 特異度5%。つまり、陰性なのに誤って陽性とされる人が
 100人に5人も出る。従って、症状のない多くの人に検査すれば、
 誤って陰性とされ、感染機会を増やす人がたくさん出て、
 また誤って陽性とされ、日常生活を制限される人がたくさん出る。
 だからPCRは症状の出た人だけに限って行うべきだ・・・」
へーそうなんだ。それほど誤差があるということは
検査の腕に頼るのだろうな・・ と信じたのですが、

驚いたことに、これが、厚生労働省に仕掛けられた文書だったのです。

官邸は、全員検査の方針だったのですが、
それに対して、厚労省が猛烈に反対。

その理由は、検査は症状の有る人と濃厚接触者に限るという、
厚労省の方針に反するからだといいます。

5月には、PCR検査拡大に反対する内部秘密文書を作り、
国会議員、官僚を対象に、
ネガティブキャンペーンを行っていたのです。

民間臨調報告書は、その文書を補足資料として明らかにしました。
(一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ
「新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査検証報告書」
「不安解消のために、希望者には広く検査を受けれるようにすべきという主張について」

当文書には、先に書いた医師のレポートと同様の主張が書かれ、
検査を広げた場合、偽陽性者が増え、医療が崩壊するという内容となっています。

これを知ったとき、私は、これらの対応は、
当時の加藤厚生労働大臣や鈴木康裕医務技監の
個人としての判断や資質を問うようなレベルの問題ではなくなっている。
同じことは多分、財務省でも、建設省でも起きています・・
日本の立法行政の仕組みは
時代に対応できなくなっていると感じたのです。
これらの問題は、中央集権と機械的管理に伴う問題です。
我々は行政や政治の問題と経済経営の問題は
異分野の問題として関連付けて理解しようとしません。

しかし、私は大きな組織を動かそうとするとき、
類似性が見つかるはずです。

アメリカのBIG3(GM・フォードクライスラー)の
巨大自動車会社を追いかけて、
やがて追い抜いたトヨタの生産方式にヒントがあると思います。
トヨタの生産現場は小集団で、
それが細胞のように連絡しています。

アメリカ方式の代表選手がマクナマラです。
BIG3のうち、フォードの社長を努めたのが有名なマクナマラ氏です。
彼は多分、ものすごく頭の良い人で、
第二次世界大戦前はハーバード大学で、会計学の教授。
大戦中はアメリカ政府のオペレーションズ・リサーチの専門家。
1961年にフォードの社長からアメリカの国防長官(ケネディ政権)
1968年世界銀行総裁

というすごい経歴です。

しかし、その結果は、

フォードは彼の作ったシステムにより
70年代には日本企業に勝てなくなりました。

国防長官時代に指導したベトナム戦争は
悲惨な結果を招きました。

世界銀行総裁として彼は
得意なオペレーションズ・リサーチとシステムズコントロールで
彼はどこでも抽象的な量的な概念で指導し・・
結果は、経済全体が破壊しました。

巨大ダムは砂で埋まり、道路はガタガタの上、行き止まり。
森林や野原は荒れ果てて、西欧の銀行に
返済不可能な巨大な負債を残しました。

マクナマラに、自分の政策の影響を受ける人達に対する、
悪意があったわけではなく、彼らの運命に対する無関心から
この様な結果を生んだわけではありません。

このことを理解することが
非常に大事であると思います。
人間の考え方で、自然のシステムに介入すると
ひどいしっペ返しが返ってきます。

我々日本人は、戦争直後
アメリカの素晴らしい文明に衝撃を受けました。
私自身、18歳で初めてアメリカに渡ったとき、
その高速道路と緑の芝生に、
煙一つないIBMの工場に度肝を抜かれました。

彼らを理想化し、彼らを学び、彼らに追いつこうとしました。

未だに、日本よりアメリカが優れていると信じている人々が
日本のエリートの多数を締めています。
しかし、オペレーションズ・リサーチや
システムズ・アプローチは時代に合わず
複雑な時代の多品種少量生産は、
トヨタのかんばん方式が圧勝したのです。

トヨタのかんばん方式と、ティール組織は似ています。

日本文化とトヨタの生産方式はつながっています。
そして、日本文化とは人間の知恵よりも
自然世界の摂理から学んでいます。
次回は、トヨタのかんばん方式とは何か。
アメリカ型のシステムズアプローチの比較から説明しようと思います。

コメント

  1. 穴澤孝太郎 より:

    武田吉康先生
    「制度疲労」に話を戻すと
    我々一人一人の「気づき」の意識で
    日本を取り戻せると
    私は そう信じております
    従来の学校教育からの
    「常識」から「正解を導き出す」
    考え方 思考様式から
    「ゼロベース」から原理的に物事を考える
    ある意味での
    『芸術的』とも言えるアプローチの仕方が
    既存の世の中のシステムを
    根本から 刷新して行くのではないでしょうか
    個人の中に内在する
    「不安」を自覚をしながら
    「安心」のある制度設計に変革
    日本の制度設計 商品開発の「安心」が
    信頼として「外貨」を招き
    好循環が生まれたら 良いですね!
    追伸:10月一般公開ですが
    売上高一兆円を超える重工業の会社
    2021年度 統合報告書デザインに私の作品が起用されました
    「国際宇宙ステーション」作っている会社ですね
    ここだけの話でお願い致します

  2. 穴澤孝太郎 より:

    ついでにある医師の
    レポート記載内容に関してですが
    陽性が誤って陰性と判断されて
    感染機会を増やすとありますが
    PCR検査すら受けずに
    陽性の人が症状を発症しないまま
    陰性の人と交流をしていたら
    どの道 感染機会を増やしていることに
    代わりはないと言うことです
    あと武田先生の知識不足かもしれませんが
    単なる陽性患者と症状を発症している患者は
    体内のウイルスの数が違うらしく
    体内のウイルスの数が数個でも
    「陽性」と判断される様ですが
    発症に必要なウイルスの数に
    体内でウイルスが増殖していない場合
    感染は起きないそうです
    また当初私の記憶が正しければ
    統計が「陽性者数」の発表だった気がしますが
    いつの間にか「感染者数」に
    (陽性も感染も定義がそもそも違う訳ですが)
    表記がすり替えられて
    グラフのデータはそのまま
    私の勉強不足か思い違いでしょうか
    またPCR検査にかかった人数が多ければ
    陽性者数も上がる訳で
    検査を受けた人の割合と感染者数を
    統計グラフ等に併記しない限り
    データの信憑性は疑わしい
    「つまり正確ではない」
    のではないでしょうか
    また「PCR検査を増やしましょう」と
    国会議員が一時呼びかけをしていた様な
    気が致しますが
    当然「陽性 感染」数が増える訳ですが
    増えた数が逆に抑止につながるなんて
    情緒的な科学的でない言い訳が通用する
    専門家やマスコミの見識もどうかしています
    個人的には
    「生きる時は生きる」
    「死ぬ時は死ぬ」
    「病気になる時は成る」
    「治る時は治る」
    太古の昔から自然と共に暮らして来た
    日本人の死生観を免疫に
    自分的には働かせていると思います

  3. 穴澤孝太郎 より:

    武田先生は情報量が多く
    読解に時間とエネルギーを要します
    わかります
    徳川慶喜の問題ではない訳ですね
    加藤厚生労働大臣 鈴木康裕医務技監の
    個人としての判断 資質を問う様なレベルの問題では
    なくなっている
    同じことは「財務省」でも「建設省」でも起きている
    何が問題なのでしょうか
    中央集権と機会的管理ですか
    行政や政治の問題と経営経済の問題を
    異分野として片さずに
    類似性を発見して
    次回以降は
    その経営経済の角度から
    日本の問題
    (特に「機会的管理」のことを言っているのでしょうか)
    テーマを論じるという方向性ですね!
    人間の考え方で自然のシステムに介入すると
    ひどいしっぺ返しが返って来る
    だから自然の摂理を学んだ日本の文化を軸にした
    経営や経済の仕組みを学ぶことが
    政治や行政にも応用が出来る
    こんな感じでしょうか?

  4. 穴澤孝太郎 より:

    武田先生
    見えて来ました
    『消費を小さくして 貢献を大きくする』
    これが『制度疲労』という小さな枠組みにも
    通用する解決策です
    池上彰氏の様な権威がテレビの壇上に上がり
    お金持ちが最っとお金を使えば
    景気は良く成る
    この考えは公共事業で道路作る為に
    国債発行していた時代と考え方が
    同じわけです
    国債発行しようと考えた際
    彼らにはそれが『さらに景気の循環を良くする』
    さもその様な「投資」に映ったことでしょう