渋沢が作った企業500以上、
団体は600以上と言われますが、
その中でちょっと変わった団体が、
『帰一協会』ではないかと思います。
『帰一教会』とは、
世界のあらゆる宗教は、
煎じ詰めれば同じことを言っているので
ついに一に帰するものではないか?
という主張で、
世界のあらゆる宗教を、
一つにまとめようという壮大な計画でした。
彼によれば、仏といい、耶蘇といっても
基本的には、同じことを言っている。
例えば、孔子は
「己の欲せざるところ、人に施すなかれ」といい、
耶蘇の方では
「己の欲するところ人に施せ」と説いています。
いく分かの違いは有るものの、
悪いことをするな、良いことをせよという
言い表し方の違いであろうと思います。
一方は右から説き、
一方は左から説くというようなことで、
結局、帰する所は一つです。
深く研究を進めれば、
各々、宗派を分かち、門戸を別にして、
甚だしいときには、
互いに相争うなどということは、馬鹿らしいことです。
そのための研究のために作られたのが
『帰一協会』だといいます。
渋沢は、道徳仁義と生産殖利は、
必ず一致させるべきものと主張、実践して
40年以上の時、この協会を作りました。
自然科学の世界には、
誰もが認め、条件が整えれば、
誰がやっても同じ結果が出るという、
人類が共有できる「真理」があります。
それと同様、社会科学の世界にも、
誰にも共有される、「真理」があると
渋沢は信じていたのだと思います。
そして、私もまたそう信じています。
渋沢は、1840年に生まれ、
1931年に亡くなりました。
『帰一協会』を創立したのは1911年。
アインシュタインの相対性理論は知っていたはずですが、
DNAの二重螺旋は、知りませんでした。
ある会員は
「帰一しないという一点において帰一する」
と言ったといいます。
1941年、帰一教会は解散しました。
時期尚早であったのだと思います。

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