論語と算盤 part35 よく集めよく散ぜよ

渋沢は言います。
お金は大事にしなければならない。
なぜなら、それはこの世のすべてのものの
身代わりだからである。

お金でそれらが買えるということは、
それらと同じ価値を持つということだ。
宋の朱子は
「一食一飯まさにこれを作るの難きを思うべし、     
      半紙半縲来処の易からざるを知れ」

要するに、金は社会の人々の工夫努力の現れであるから、
大切にしなければならぬ。

しかし同時に、社会の活動を便利にするためのものだから
よく集め、よく散じてようでなくてはならぬ。
しかし、よく切れる刃物も、
医師が使えばメスとなり人を救うが、
悪人が使えば、人殺しの道具となる。

要は使う人の人格で、金はその価値を知り、
世の中の進歩発展のため
十分に活用しなければならぬ。
ここまで読んできて、
心学とはなにか見えてきたように思います。

動物と人間が違うのは、
その経験知識を蓄積し、
文化社会を形成していることです。

その社会というのは、先人の知恵の蓄積と、
世界中の人々の、奮励努力の集積であり、
我々誰でも、先祖の恩、社会の恩を被っています。

このことを深く感じ、理解するのが教養であり、
心学というものだと思う。

一言で言えば、「お陰様」ということを知ることなのです。

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