渋沢はいいます。
言葉巧みに勧められ、
普段の自分ならやらないような悪の誘惑に、
のせられそうになることがあります。
そのようなときでも、頭脳を冷静に、
どこまでも自己を忘れぬようにするのが、
意志の鍛錬の要務です。
このような時、先方の言葉に対し、
常識に即して、自問自答してみるが良いと思います。
その結果先方の言葉に従えば、
一次は利益になるが、やがては不利益が起こってくるとか
あるいは逆に、目前では不利だが、いずれは利益になるとか
明瞭に意識されるものです。
かくのごとき自省ができれば、
自己の本心すなわち正の道を歩むことは容易です。
このような手段方法が、意志の鍛錬の道だと思います。
子曰く 徳の修まらざる、学の講ぜざる、義を聞きて徒る能わざる、
不善を改むる能わざる、是れ吾が憂なり 論語
論語は、2600年前。
渋沢は、100年前。
先週紹介した、ミチオカクは最近ですが、似たことをいいます。
自分だけ良ければ良いというのは、
社会的自己がない、爬虫類。
今さえ良ければ良いというのは、
時間認識がない猿と同じ。
自分の精神を、猿のものから人のものへというのが、
心学なのでしょう。

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