先々週ブログに記載したことですが、再録すると、
「あるとき殿様が、貧しい村を救おうと再興資金を貧しいものに与えようとした。」
金次郎は、
「お金をくださると、領民はいつもお金をいただくことばかり願って、
殿様のお恵みに慣れてしまい、かえって勤勉の気力を失ってしまいます。
またその金を巡って、
村人は、「名主が金を手に入れようと不正を行った」
名主は、「村人が、金を勝手に使った」
と心配してお互いの間がうまくいきません。
互いに非難しあい、自分の利益ばかり考え、
人心は荒れすさみ、復興事業がうまく行かなくなるのです。
これは、金の力をもって復興しようとするからです。
荒廃した土地を復興するには、
荒廃した土地自身の力を使い
貧しいものを救うには、
貧しいもの自身の力を使うのが一番良いのです。」
といさめたと言います。
さて、荒廃した土地を復興するには、
荒廃した土地自身の力を使う、というのは、
荒廃した土地の一部を耕し、肥料を入れ、
種を巻き、育て実らせ、
そこで得た収益でその隣の荒れ地を耕す。
これを繰り返せば、最初の僅かな土地に対する投資で、
広大な土地を耕すことができる・・
限りある資金を、一時的に投入するのでは
このようなことはできません。
貧しいものを救うには、
貧しいもの自身の力を使う、というのは、
飯炊き女に、5本の薪を使っていた飯炊きを
3本の薪で炊ける工夫を教え、
その2本を金次郎が買い取る形で、貸したお金を返してもらう・・
どれも、外から力を加えるではなく、
本来それらが持っている力を引き出す工夫を考える。
これが本当の、
人を育て、人を強くする教育だと思います。
人に恵んでもらうと、その時は喜んでも、
どうしても人に頼るようになります。
一方、自分の努力で、問題を解決すると、自信になります。
金次郎は、自分が勉強するための、
灯りを、自分で稼ぎ出そうと、
5杓の菜種を貰い受け、一年で八升の収穫を得ました。
ここから、後年の様々な工夫の原理を掴んだのです。
【音もなく 香もなく常に天地は 書かざる経をくりかえしつつ】
金次郎の詠んだ和歌ですが、
まさに、自然の法則から学んでいます。
SDGsに活かせる知恵だと思います。
来週は実学と心学について書いてみます。

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