二宮金次郎

皆さんは、二宮金次郎をご存知でしょうか?

私が子供の頃、小学校には、
たいてい二宮金次郎の像が立っていました。

可愛らしい少年で、髷を結い、薪を担いで、本を読んでいる。
働きながらも、勉強している・感心な少年という感じです。

いつの頃からか、この像は無くなったので、
若い世代はそれも知らないのでしょう。
私も最近、
経済のない道徳は戯言であり
道徳のない経済は犯罪である
という彼の言葉を知り、実際はどのような人物で、
どのような、経済観、道徳観をもっていたのか
どのような実績を上げた人なのか、調べてみました。

彼は、600以上の村を復興させ、
何万ヘクタール荒れ地を豊かな農地に変え
多くの農民の生活を改善し、年貢を軽減し、貧困から救いました。
彼は渋沢のような豪農の家に生まれたわけではありません。
両親も村で一番貧しい百姓だった上に、
14才で父を、16歳で母もなくし、孤児となり
親戚の家に預けられました。
その家でもよく働き、
2年で他家に住み込みむようになり、
働きながら、四書五経を読んで学んでいました。
20才のときには早くも生家に戻り、
田畑を開墾しています。
彼自身が極貧の中から立ち上がり、成功しました。

彼の作り上げた経済再生方法は、報徳仕法と呼ばれます。
それは、勤労、分度、推譲という三本柱からなり、
その中心になるのが、分度という考え方だ。
これは物事には何事もちょうどよいという、適切な分があります。
その分をも守り、その分を超えるものを、
未来や地域のために、投資するという考えです。

あるとき殿様が、貧しい村を救おうと
再興資金を貧しいものに与えようとすると、

金次郎は、

「お金をくださると、領民は、
いつもお金をいただくことばかり願って、
殿様のお恵みに慣れてしまい、
かえって勤勉の気力を失ってしまいます。
またその金を巡って、村人は
「名主が金を手に入れようと不正を行った」

名主は「村人が、金を勝手に使った」
心配してお互いの間がうまくいきません。

互いに非難しあい、自分の利益ばかり考え、
人心は荒れすさみ、復興事業がうまく行かなくなるのです。

これは、金の力をもって復興しようとするからです。
荒廃した土地を復興するには
荒廃した土地自身の力を使い
貧しいものを救うには
貧しいもの自身の力を使うのが一番良いのです。」

といいました。
貧しいなりに自分の仕事を工夫して、余分を生み出し、
その余分を投資する。

飯炊き女には、飯を炊くのに、

5本の薪を使っていたのを
3本で炊ける方法を教え、
毎回その2本の薪を買いとってやり、貧乏から抜け出ささせる。
荒れ地が何万坪あっても、
まず一年目に1両の金で開墾できる範囲を開梱する。

その土地から作物が取れ、1両の利益が出る。
その利益で次の土地を開墾する・・
これを続ければ1両の金で何万坪の
荒野も実り豊かな農地に変えることができる。
その全てに熱心に働く勤労と、
余分を生み出す工夫、それを再投資する
という、節倹の自己抑制が重要なのです。
次回は天保の飢饉について書いてみます。

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