論語と算盤 part19 社会と学問

渋沢は言います。

 学問と社会の関係は、
 あたかも地図を見る時と、
 実地を歩行する時、ごときものである。

 地図を開いて目を注げば、
 世界もただ一目のもとにある。
 一国一郷は、指顧の間にある如く見える。
 いかによくできた地図でも、
 実際と比較して見ると、予想外のことが多い。

 それを深く考慮せず、充分に熟知したつもりで
 いよいよ実地に踏み出してみると、
 茫漠として大いに迷う。

 山は高く、谷は深し、森林は連なり、
 河は広く流るると言う間に、
 道を尋ねて進むと、高岳に出会い、
 何ほど登っても頂上に達し得ぬ。

 

 あるいは大河に出会って途方に暮れ、
 深い谷に入って、いつ出ることができるか
 と思うこともある。

 もしこの際、充分な信念を持たず、
 大局を観る明がないなら、
 失望落胆して勇気は出ず、自暴自棄に陥って、
 野山の差別なく狂いまわる。
 如くなって、ついには不幸な終わりを観ることだろう。
世の中には有用な書物は山ほどありますが、
現実は、探偵小説のどんでん返し以上の、
とんでもないことが起こることがあります。
 
その時は、あまりのことに動転し、
冷静でいることは難しいです。
だからこそ、しっかりとした信念、
つまり、これはする、これはしないという
自分のルールと、
自分の置かれている状況を大局から観ます。

自分を大空から
その周囲とともに観るような、
大局観を養う必要があるように思います。

コメント