古代中国、三国志の頃、
魏の王様が、どんな、重症の患者でも直してしまう
という評判の名医がいるというので、
呼んで話を聞いてみました。
聞けば、扁鵲という医師は
三人兄弟の医師でその末弟だといいます。
それでは、兄たちの腕前はと聞くと
「私は、まだまだで、兄達には及ばない」
といいます。
魏の王様は驚いて、
『それでは、扁鵲の名前が有名なのに、
それ以上の兄達の腕前が聞こえてこないのは
どういうわけだ』
と聞くと、
「自分は危篤状況のような
重病になった患者しか、診断できない。
だから、患者は助かったと思い、
感謝してくれる。
次兄は、まだ病の軽いうちに診断し、
重症になる前に治すことができる。
患者は次兄は簡単な病しか直せないと思い、
有名にならない。
長兄は、彼のいる町や村の人達が、
病にかからないように導くことができる。
だから、その人たちは長兄が、
医師であることすら知らない。
だから、兄達の名前は知られないのだ。」
この話はあるべき医療とはどういうものかを、
教えてくれています。
私は国の支出の50%にもなる医療費の膨張と、
日本の国民皆保険制度の崩壊の危機に気付いて10年。
病気予防に一番影響力のあるのが
大企業の単一健保と思い
予防医学の観点から軽い病気、
軽い腎不全から人工透析、
ウィルス性肝炎から肝硬変や肝臓がん
高血圧から、脳梗塞や心筋梗塞などの
イベントを防ぐことにより、
人の命を救い、同時に高額医療費を抑制し、
結果、医療費の膨張を抑制できるのではと考え、
すかいらーくグループの健康保険組合と協力し
徹底的な重症化予防を行ってきました。
もちろん、一定の成果を上げ、
厚生労働省のデータヘルス計画のモデルにもなりましたが
まだまだ、劇的な効果とは言えません。
まず、すかいらーくグループ健保の組合員の大部分は
パートアルバイトの方たちで、
この人達は毎年30%は入れ替わります。
そのため、何の健康意識も持っていない人たちが
毎年入れ替わり入ってきます。
更に、ハイリスクアプローチのジレンマがあります。
血圧数値の最も高い10%から、
10%の確率で、イベントが発生すると
10000人の人がいれば10000✕10%✕10%=100人。
この人達1000人の血圧を下げれば、
イベントが減るかというと
その次の血圧の高い人達20%からも
5%の確率でイベントが起こるので
10,000✕20%✕5%=100人の、イベントが発生します。
つまり、リスクの高い人を管理するだけでは
イベントを防ぐには不十分なのです。
そのように、、実践し考えてくると、
古代中国の長兄のやりかた、
町や村の全ての人たちが
病気にならないように導くしかありません。
ここまで来ると、医療の世界ではなく、
公衆衛生の分野になります。
八王子に北原国際クリニックという病院があり、
北原茂実という人が院長をしています。
専門は脳外科で、
緊急手術を必要とする救急病院を建て、
その後、リハビリセンターや、
ワンコイン(500円)でできる健康診断。
更には、山梨に農場を開き牧畜までやっています。
その上で、八王子市との連携で
医療ポイントカードまで始めています。
このやり方を、全国に広めたらどうでしょうか?
今回のコロナで、
政治と医療(科学)が複雑に絡み合っていることが
明確になったと思います。
一人ひとりは真剣に真面目にやっているのですが、
全体のシステムが狂っていると感じます。
問題は政治家を批判することではなく、
(もちろんされて仕方ない点もありますが)
日本の制度が、
前世紀のままに続いていることにあると思います。
次回は、新時代の社会システムについて考える。

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