『東西両文明の架け橋に、日本が成らねばならない。』
ということは、明治以来
多くの日本人が考えてきたことだと思われます。
近代西洋文明の二元論、要素還元主義、
物質機械文明のゆきづまりは、
1960年代のローマクラブの警告から続いており、
現在ではSDGsの提言となっています。
デカルトニュートン以来、物と心は分けられ、
人間の心は神の扱うもの。
肉体は物質なので、時計じかけの機械のように、
分解して研究できるとされ、
事実、現代科学文明は、世界を便利で快適に改造してきました。
21世紀になり、世界人口の増加のスピードが衰え、
先進国では少子高齢化が進んでいます。
その中でも、高齢化する人口構成で
世界の最先端を走るのが日本です。
かつて日本は数々の奇跡を実現してきました。
明治維新の時は、海外に輸出できるものは、
絹織物くらいしかないという状態から
わずか、30年ほどで、
有色人種が初めて白人の国を破るという
日露戦争を成し遂げました。
全世界の有色人種=植民地・奴隷とされた国々に
希望を与えました。
更に、第2次大戦で完膚なきまでに破れ、
焼け野原となったところから
再び、30年ほどで、
世界一と呼ばれる、経済大国となったのです。
今、三度、日本は敗戦国になったようですが、
以前の二回とは違い、
じわじわと、国力を失ったので、国民全般に自覚がないのです。
今日、日本人は自らのルーツを確認し、
そのルーツからのエネルギーを吸い上げて、
日本を三度蘇らせ、その実績を持って、
世界の国々をリードする時なのだと思います。
心身一如という言葉のある日本人にとり、
物と心は統一されるべきものです。
ユダヤ、キリスト、イスラムのヨーロッパの宗教は、
同じ旧約聖書をバイブルとする兄弟の信仰です。
その聖書によると、
人間は神の姿に似せて作られた上、
神に息を吹き込まれたので、人間は特別な存在、
他の自然界の生物を管理する役割を与えらている。
と信じられています。
ですから、人間の精神は特別なもの、
神のものなのです。
西洋文明のお陰で発達した科学は、
自然の神秘を次々と解き明かしてきました。
その中で、ダーウインの進化論がうまれ、
ワトソンとクリックによる遺伝の二重らせんの仕組み、
更には、地上の全生命の遺伝子が
同じ20種類のアミノ酸で書かれている
ということが明らかになりました。
今では、
人間と他の生物に本質的な違いはなく、
人間は自然の一部であるのです。
そうであれば、その人間の意識もまた、
自然の一部であり、
統一的に、説明されなければならないはずです。
その人間は自然の一部ということを
当たり前のように考えてきたのが、
日本人なのだと思います。
「我思うがゆえに我あり」という、
独立した自分を思考の原点とする
西欧の自我は、簡単に、
『今さえ良ければ・・』『自分さえ良ければ・・』
という、堕落した浅薄な思考に陥ります。
それに対し、日本人は「無我無心」
ということを言ってきました。
人間は自然の一部であリ、自然に活かされています。
人為の計らいを捨て、小賢しい計算を捨て、無心になれば
むしろ、大自然の力を引き出すことができ、
自分個人の工夫努力以上の結果を出すことができます。
無というと、何もない真空のような
「モノ」を考えがちですが、
そうではなく、「無」とはそれ自体で、
単独に自立して存在するものは何もなく
たとの関係によって存在する・・
ということですから、
無とは、空間的にも時間的にも、
次から次へと生まれ続け、展開し続ける
生命そのものです。
我々人間も自然の一部ですから、
自然の力を借りようということです。
それを、自己組織化といいます。
それ故、全ての存在は他によって支えられています。
生命の場合、
生態系の一部であるということ、
企業の場合、顧客があるがゆえに存在するということ、
これを相互依存といいます。
そして、単純なものを組み合わせて
複雑なものができる・・
たった4種の塩基を組み合わせ、
20種のアミノ酸が出来、
その20種のアミノ酸が1000文字も繋がって、
様々なタンパク質をつくる・・
このような、階層化と
そこから生まれる多様性が生命の仕組みです。
日本人の思想には、
美感覚にはこのような、自然との調和や、
内側からどんどん溢れてくるような、
一度完成したものを内側から突き破るような、
無の思想、生命の思想に満たされています。
ですから、日本人は、完全なバランスより、
不均衡を喜びます。
西洋の庭園は幾何学的ですが、日本は違います。
5・7・5など、偶数より奇数が好きです。
余白、幽玄など、人為を超えたもののための、余地を残します。
完成したものを一度さらに崩す、
十六夜の月や、わびさびや、
つや消しの美を尊ぶのです。
先の三原理は日本人の得意とするところです。
あとはこの原点に立ち返り、
その原点のエネルギーを組み上げ
生命原理の経営に進むべきだと考えます。

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