二河白道は中國浄土教の創立者の一人、
善導によるといいます。
ここに一人の人があって、西に向かって長い旅をした。
ところが、この路に中ほどに
思いもよらぬ二つの大河があったのである。
その一つは火の河で南にあり
他の一つは水の河で北に流れている。
河の広さは百歩ばかり、深くして底なく、
南北に延びてほとりがない。
この河の中に、四五寸ばかりの一筋の細く白い道がある。
北の水の河からは波が寄せかけてきて道を湿し、
南の火の河からは火が吹きかけてきて道を焼き
水と火が互いに交わってしばらくも息むときはない。
かの旅人は既に広々として、
遥かにはてのないところにさしかかってきた。
そしてそこには人らしいものの影とてなく
多くの賊や、悪獣が群がっているのみであった。
しかもこの、群賊、悪獣は旅人が一人なのを見て
われがちに競い廻り、旅人を噛み殺そうとした。
旅人はこの有様を見て、大いに恐れ、
直ちに西方に向かつて駆け出したが、
思いがけなくかの大河に行き当たったのである。
善導「観経琉散善義」真宗聖典三より
これは、「中道」の教えなのだと思いますが
この経を知ったとき
私が直ちに連想したのは、
太陽から地球までの距離を真円に渡る地球の軌道です。
私たちは今、地球温暖化といい、
二度平均気温が上がると大変なことになるから
炭酸ガスの排出量を実質ゼロにしよう
(排出と吸収がバランスするように)
といっていますが。
太陽から地球までの距離はおよそ、1億5000万キロ。
地球の内側にある金星が熱いことは誰でも知っていますが、
わずか、2%、300万キロ内側によれば、
地球上の水は沸騰し水蒸気になり
同じように1%外に外れれば、
地球上のすべての水は氷結し全球凍結となるといいます。
わかりやすいように縮小すれば、
太陽から1,5メートル、直径3メートルの周囲を
地球が回っているが、それが3センチ内側によれば、灼熱地獄。
1,5センチ外に行けば凍結地獄というわけなのです。
このことは、生命というものが
実に微妙なバランスの中でしか生きられない事を示しているように思われます。
力学系 秩序→複雑系→カオス
物質 個体「氷」→相転移・流体「水」→相転移・気体「水蒸気」
生命 あまりにも「静」→「生命・知性」→あまりにも「動」
生命は情報とエネルギーで物質を並べる、
完全に静止していれば、何も起きません。
完全に沸騰状態では、何も記録コピーできません。
その間、適度に動き離合集散し、
適度に、記録、コピー出来なければ生命現象は成立しません。
生命はカオスの縁でしか起きません。
これが、釈迦の中道の教えなのではないかと思います。

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