この地上の生命は、同じアミノ酸でできています。
人間の場合およそ、
30億の塩基の対が二重らせんを構成し、
ATCGと呼ばれる4つの塩基があります。
例えばATTはイソロイシン、GATは、
アスパラギン酸などと、4種の塩基を3つ組み合わせ、
アスパラギン酸などと、4種の塩基を3つ組み合わせ、
その組み合わせは4✕4✕4=64なので
64種類の組み合わせが、
20種類のアミノ酸を指定しています。《ダブルのもある》
そして、そのアミノ酸がたくさん《およそ1000くらい》
つながり、立体構造になりタンパク質になります。
それを指定するつながりを遺伝子といい、
人間の場合およそ30000ぐらいになるといいます。
私もあなたも、そういう30億の塩基対、
3万の遺伝子を内蔵した
37兆という細胞でできているのですが、
本当に驚くのは、私達を取りまく全ての生き物、
猫も、鳥も、てんとう虫も、草花も
全て、同じ20のアミノ酸からできているということです。
また、この4種の塩基から3つを選んで並べ
それが、アミノ酸を指定するといいます。
自然の生命の方法は、そっくり、易経で使われています。
易は陰陽の組み合わせで、64卦を表しますが、
まず、
マイナスマイナス(老陰)
マイナスプラス(少陰)
プラスマイナス(少陽)
プラスプラス(老陽)
という4種類の陰陽の組み合わせがあり
その4種から3つ選んで、
4✕4✕4=64の卦が出てきます。
実にそっくりの組み合わせ方なのです。
易は中国の四書五経の中でも最も古く、
3千年以上前に、伏義が、八卦を記し
漢の文王がそれを組み合わせて64卦にし、
その後孔子が解説を完成したといいます。
これが20世紀ようやく解き明かされた
生命の神秘と符合するとは驚くばかりです。
ここに突っ込んでいくとまた話が横道にそれるので、
人工生命に戻ります。
人工生命という名前をつけたのは
先週紹介したクリス・ラングトンという人ですが、
その原型はフォン・ノイマンです。
ノイマンコンピューターで有名な数学者です。
この人が考えた、思考実験のマシンは
自分と同じマシンを作れる機械で、
そのためには自分自身の
設計図を持っていなければなりません。
また、その設計図を受け渡さなければなりません。
すでに1966年に「自己増殖するオートマンの理論」
という論文が発表されています。
そして、ノイマンの同僚だったスタ二フラス・ウーラムは、
『セル・オートマン』というノイマンの生命を
コンピュータの上で表現する形式を考えました。
セル・オートマンは、オセロゲームを複雑にしたような
自分で動き出すコンピューター画面上のシステムをいいます。
オセロは人間同士が白と黒のコマを
盤面上の打てるところに打つと、
規則によって盤面上の黒が白に(白が黒に)変わっていきます。
オセロより盤面の枠の数がずっと多く、
白黒のに二色ではなく、赤白青緑の4色とし、
その周囲の条件によって、
その色が変わるようにプログラムすれば、
オセロよりかなり複雑な変化が
盤面に現れることが想像できるでしょう。
その中で、どのような条件設定をすれば、
生命にふさわしい動きをするかを
ラングトンは調べていきました。
それが、カオスの縁でした。
カオスと言うのは、徹底的な混沌を言います。
例えば水蒸気のような状態にあります。
水分子のようなものです。
一方、逆に動かない状態、
氷のようの状態になると、水分子は動けません。
その中間、水分子が水である状態、
0度より高く100度より低い状態。
その状態のときのみ、情報を記憶する程度の安定性が有り、
情報を伝達できる程度の流動性が有るのです。
これが生命の本質でした。
私はこの話を知った時、
また仏教の説話を思い浮かべました。
中道ということに対する説法だとお思うのですが、
なんという話か思い出せません。
このメルマガの読者で知っている人がいたら
是非教えていただきたいです。
山の稜線を歩くと、右側の谷底には炎の川が流れ、
左側の谷底は氷の河が流れている・・・
どちらにも偏ることができない。
という話です。
いくらか生命について考えることができるでしょうか?
来週は生命、情報、美、芸術、について考えます。

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