アートとサイエンス

アートをビジネスに取り入れる、という話が
どんどんポピュラーになっています。

先日もフェイスブックで、さほど有名とはいえない講師の
このようなタイトルのセミナーに2000人以上の人が、
興味ありのサインを送っていたので、その数に驚きました。
2005年ダニエルピンクの、ハイ・コンセプトが
日本語に訳された時、監修解説を大前研一が書いていたので、
ダニエル・ピンクは知らなかったのですが、
大前の本は好きだったので、読んでみました。
しかし、日本ではあまり売れませんでした。
その後、社会学者、見田宗介の「現代社会の理論』を読みました。
実に明晰な理論展開に大ファンになりました。
その中で、
「物質とエネルギーを消費するには限界がある、資源は有限だから・・」

しかし、マテリアルは有限だがイデアは無限だ・・

情報は無限・・情報を消費して満足を得るということはどういうことか・・

価値ある情報とは・・

1. あるかないか、下がるか上がるか

2. こうすればこうなる、行動指示・・
 ・・地図、設計図、プログラム

3. 手段ではなく目的としての情報・・
 ・・それに触れるだけで満足できる・・芸術

ここで、物質を消費することのみに欲望を燃やせば、
地球は環境汚染で死滅するしかありません。

すべての消費の究極は芸術だ・・
・・かつて貴族や資産家がこぞって芸術に投資したように。
このくだりは、私にブリタニカで
頂点を目指すきっかけを与えてくれた、
ハッチンス博士の【偉大なる会話」の一説

人間の物質的欲望は無限なので
その追求をする限り、争いが絶えない・・
という主張にに通じます。

それ以前に
第三の波という、アルビン・トフラーの本があります。

人類の文明は、
第一の波、農業文明が3000年で世界に行き渡り
第二の波 工業弁明が300年で世界に広がり
そして第三の波、情報文明がやがて世界を覆うだろう・・

そして新しい文明は、過去の文明を時代遅れのものにする・・

というような本でしたが、
出版は1980年、インターネツトなどは、まだ登場せず
パソコンが世に普及しだしたときでした。
今では彼の予言通り、世界は情報で覆われていて、
世界を代表する企業は
フェイスブック、アマゾン、アップル、グーグルなどになっています。
それで行き止まりでしょうか?

ハイ・コンセプトは
第四の波だと、大前研一は言っています。

第四の波は、情報の中でも、
手段ではなく目的としての情報、
その情報を利用して何かをするという
手段としての情報ではなく

その情報に触れること自体が目的である情報、
そこに触れることが喜びをもたらす情報とは・・
・・絵画であり、音楽であり、文学であります。

つまり、芸術のはずです。
そして、世界の人々が物質の消費でなく、
芸術・あるいは美的生活を追求するならば
芸術は資源やエネルギーを無駄に消費しないので、
地球社会は美しく成熟していくことになります。
その点、日本は先行していると思われます。
信長の天才は、部下に敵を打ち破るたびに
その領地を与えるのでは、いずれ限界が来る。

領地や、石高に匹敵するものとして、
足利将軍以来の名物、芸術に価値を保証しました。
利休の茶室は、わずか、二畳しかない・・

中国の宋の時代に作られた、曜変天目などの大名物と
瓦やの長次郎に焼かせた黒楽茶碗に同じ価値があると、日本人は認めました・・
その日本文化を目で見る、音で聞く、物語を体験するという
総合芸術に仕上げたのが、「能」と言えます。
いよいよ、私たちは、
人類の共有する知恵の集大成の時代を迎えたように思います。
私は東洋大学文学部教授、原田香織先生の協力、
国書刊行会、佐藤今朝男社長の支援を得て、
まず能楽大全を制作しようと思います。
70歳、古希にして、
私も長年の念願を果たすスタートを切ろうと思います。
次週はなぜ、能楽大全が、日本文化、東洋文明を表現し
西洋科学文明を超えるのではなく、否定するのでもなく
それを含むものなのかを説明する予定です。

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