足るを知る

新しいスーツを作りました。

会社からプレゼントされたので、私という商品の
セミナー講師の制服のようなものです。

新入社員のような紺に細いストライプの、何げないスーツですが
シルバーグレーの裏地と
水牛の角のボタンが気に入っています。

単純に嬉しいものです。
自分では、物欲のない方だと思っていますが、
なかなか精神的な満足だけで、というわけには行きません。
マインドフルライフから、マインドフル社会へということを
考えていますが・・
その、足がかりとして、

足るを知る

ということについて考えます。
本阿弥光悦と言う人は、多彩な芸術家として高名ですが、
そのお母さんが、妙秀と言う人だそうです。

本阿弥家は足利将軍家から
信長、秀吉、家康の代まで仕えた、

刀の研師であり、目利きであり、

妙秀は、本阿弥家何代目かのお嬢さんで,当主、光悦の母であり
子供も孫も多く、人徳も厚かったので
一族の長老として尊敬を集めていたそうです。

一族の者が色々と贈り物を持ってくると
喜んで受け取り、

小袖はバラバラに割いていろいろな小物を作り
女中や使用人に分けてやりという要領で
何一つ自分のものにしないので、

それではと、現金を届けると、更に喜んで
そのお金で、箒やちりとりそのたもろもろ、を人に買い与え、
厚紙を買い込んでは、手で柔らかくし、冬はこれで
寒さがしのげると、乞食にまで分け与えたそうです。

本阿弥家は名家であるだけでなく、刀剣の鑑定では
日本一で
本阿弥の家のものが、
これは本物であるといえば、本物
偽物であるといえば偽物となったのですから
(折り紙つきという言葉は本阿弥家の証明を
 折り紙といったところから始まったそうです)
お金はいくらでも稼げたはずですが・・・

妙秀がなくなった時、絹の着物などなにもなく
浴衣と寝間着と夜具と、僅かな着物があるばかりだったそうです。

この話を聞くと、
人間が生きていくのに
何が本当に必要なのかと
考えさせられます。
現在、世界的に貧富の差が激しく
格差の問題は大きいのですが・・

世界中の人間が、アメリカの上流階級のような
物質的欲求を満たすことは出来ないでしょう。

子供が飢えで死ぬなどというのは、一日も早く
なんとかしなければなりませんが

清楚で清潔な文化的な生活ができれば
安全で、平和であれば・・

人と争わなくとも、
人は満足できるのではと思うのです。

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