前回の続きです。
誕生直後最初の一週間で何が大事で、何が失われるかという話です。
大事なことは、赤ちゃんを撫ぜたり、あやしたり
頬ずりしたりとかわいがることです。
そんなことは、かわいい我が子が生まれれば当たり前ではないか
と思われるでしょう。
そのとおりで、
これは人間だけでなく哺乳類全般に与えられた本能ですから、
自然な状態なら普通に行われることです。
それが行われないと、
どんなことになるのでしょう。
赤ちゃんがお母さんからかわいがってもらえない・・放置される
ということは、虐待と同義です。
可愛がってもらえないと、
DNAをコピーするRNAが一部メチル化して
機能しなくなるのです。
どの部分がメチル化する
(不要ののものとして蓋をされ使えなくなる)
のかというと、ストレスに対応する仕組みの一部が
はたらかなくなるのです。
ストレスがかかると、
脳から副腎に指令が行き、ステロイドホルモンの
一種である、コルチコステロンが放出され、
(脳が敵に襲われたことを感じると、逃げるか戦うための準備をする)
血糖値や心拍をあげ、傷を負った場合に備え、
末梢の血管を狭め、免疫機能を抑制し
炎症が起こりにくくする・・
然しながら、この状態は、戦争に備えた非常事態なので、
消化機能などは抑えられ、唾液も出ない・・喉がカラカラ
心臓がドキドキという状態なので・・・
いつまでも続けるわけにはいかない。
そこで通常は血液中のコルチコステロンの濃度がある程度以上になると
海馬という脳の部分に働き、海馬から視床下部視床下部から副腎へと
指令が流れ、それ以上、コルチコステロンが出ないよう
フイードバックがかかる
ところが、最初の一週間に愛されないと、
この一連の機能がスムーズに起こるための回路に必要な
DNAの一部が働かなくなり、コルチコステロンが抑制されなくなる
結果、赤ん坊の時だけでなく成長してもストレスに弱くなる。
自殺者の死後、脳の海馬のステロイド受容体遺伝子を、調べてみると
幼少期に虐待を受けていると、メチル化が進行していたのです。
これはどういうことでしょうか
生まれてすぐ、お母さんが赤ちゃんを可愛がらないと
赤ちゃんの脳の中で、後々、ストレスが高まった時に
ストレスホルモンをある程度以上は出さないようにする機能は
不要となるということです。
ずっと戦い続けるためにということでしょうか・・
なんとも悲しい話です。
でも、お母さんが赤ちゃんを可愛がらず、ほおずりも
あやしもしないなどとは、普通はないはずです。
しかし現実には、年間およそ100万人の赤ちゃんのうち、
その一割が低体重未熟児として生まれ、
更にその3割、3万人が新生児集中治療室にはいっているのです。
低体重未熟児で生まれる大きな原因は
母親の痩せすぎと思われます。

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