ベドガーの質問

質問は、いかがでしたか?

人によっては、試されているというように感じるかもしれません。

私は一方的にメッセージを送るのではなく、質問に答えるという
形で、一緒に考えていただきたかったのです。

早速、前回の続きです。
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「伺うところによりますと、貴方の会社で二十五万ドルの借り入れを
なさる件につきまして、銀行は、社長が同額の生命保険に加入される
ことを条件にされているということですが、これは事実でしょうか?」

「ええ、そのとうりです。」

「ということは、、言葉を変えて言いますと、
貴方がご健在なら、貴方の会社を信用するが、
貴方に万一のことがおきれば、貴方の会社は、もはや信用できない
つまり、信用するのは、貴方そのもので、
貴方の会社ではないということになりますね?」

「ええ、おそらくそうなんでしょう」

「それなら、話は簡単です。
すぐに、保険に加入して、銀行の心配を
保険会社に振り返ることが大切なんではありませんか?

例えば今晩、貴方のコネチカットの大きな工場の火災保険が、
明日満期で、切れるということに気付かれたとしたら、そのまま
お休みにはなれないでしょう。

明日朝一番で、保険会社に電話して、継続の手続きをなさるよう、
指示されるのではありませんか?
貴方の財産を保全されるために・・そうではありませんか?」

「勿論そうするに決まっています」

「それでしたら、銀行も、
貴方が、工場に火災保険をかけることを重要視するのと同様に、
貴方のお命に、保険をつけることを重要視しているはずです。

貴方の、お命に、同額の保険をかけることができない・・
と言う事情があると、はっきり分かったとしたら、
貴方の会社に対する貸付を減額するか或いは、まったくやめてしまうかもしれない
そういう、可能性はありませんか?」

「私にははっきりわからないが、そういう可能性はあるでしょうな」

「それでは、もし貴方が決心するだけで、
これだけの、信用が保証できる契約ができるとすると、
これは、貴方にとって、
何十万ドルに当たる価値あるものであるはずです。

この、二十五万ドルの融資は、今年度の貴方の会社が利益を出すか、
損害を出すかの境目になるほど、重要なものではありませんか?」

「勿論そのとおりです」

「ブースさん、今私は、他の人間にはできないことを、貴方のために
して差し上げることのできる立場にあるのです」

「それはどんなことですか」

「私は、貴方のために、カーライル博士と11時半に会う約束をしています。

カーライル博士は、ニューヨークで最も有名な、健康診断医の一人です。

ですから、この先生の診断書はどんな生命保険会社でもそのまま認めます。

二十五万ドルという大きな契約のための診断に、たった一回で通る健康診断医
はこの先生以外にいません」

「他の、外交員でも同じ事をしてくれるでしょう」

「今すぐにと言うことが、大切なのです。

例えば、ためしに今日の午後、すぐに手続きをしてくれと、この保険会社の
誰にでも指示されたとしましょう。

彼らは、親しい診断医に急いで連絡をつけ、ここにつれてきて、簡単な予備健診
をすることでしょう。
その後その書類を本社に送り、その書類に不備、問題が無いか
審査をし、

その上で、設備の整った診断所で、正式な診断が行われるようになるでしょう。

こんなことで、幾日か、場合によっては何週間か時間がかかることになります。
そんな必要が、なぜあるのでしょう?」

「いや、私はもう少し生き延びられるつもりです」

「ところが、明日朝お目覚めになったら、少し のどの調子ががおかしいということが
ないといえましょうか・・
その上でこの、難しい健康診断が受けられる程度に回復されたとして、

診断医は慎重を期してこういうのではありませんか

『すっかり回復の方向に向かっていらっしゃるとは思いますが、最近病気をなさった
痕跡が残っております、少し念のため、様子を見たいと思うのですが・・』

そうすると貴方は銀行に、最終決定が延期されたと言わなければなりません。

銀行は、当然融資の決定を遅らせることになる可能性はありませんか?」

「ええ、その可能性はありますよ」

「ブースさん、もう、十一時十分すぎです。

 今すぐここを出れば、約束どおり、カーライル先生の診療所につき、
外見から拝見するのと同様に、内部にも故障が無いようでしたら、

48時間以内に、保険契約を完了することができます。
ブースさん、今朝は、お体の具合は快適ではありませんか?」

「ええ、大変快調です」

「そうだとすれば、貴方にとって、この健康診断こそ、一番やらなければならない
重要なことだと思われませんか?」

「べドガーさん、貴方は誰のために、この健康診断の予約をされたのですか?」

「貴方のためにしました」

ブース氏はタバコを一服付け、少し考えてから、立ち上がり  帽子をとって
言った。

「行きましょう」
いかがですか?

私は、35年前にこれを読んで感動したのですが、

このレベルのセールスはなかなかできません。

フランク・べドガーは、これを、エリオット・ホールという人に学び

ホールはベンジャミン・フランクリンに

フランクリンは、かの、ソクラテスに学んだそうです。

次回は、質問による気付き、目的と手段などについて考えます。

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